カルカソンヌ世界選手権ルール
2016カルカソンヌ世界選手権のHPには、Rulesというページがあります。
ルールと言いながら、ほとんどは大会進行上のルールのみで、競技に対するルールは一つしか書かれていません。
「いったん配置したタイルやコマは配置換えをできない」です。
実際、世界大会を見ていても、主催者は競技のルールに対してほとんどタッチしていません。プレーヤー間でトラブルは解決するのが基本のようです。
しかし、どうしてこの1文のみが書かれているのか(2・3年前に書き加えれらました)、考えてみました。手番の終了を表明するのはチェスクロックを押すことでできるので、それまでは変更しても問題なさそうです。
私が思いつく原因は一つだけです。いったんタイルを配置した後、熟考しタイルを配置替えしたとします。その時、手番で配置したタイル以外を配置替えしたとしたらどうでしょう。故意か勘違いかは別として、手番プレーヤーが主張したら水掛け論です。あるいは、強く言い切ることもできるかもしれません。相手が気付かない場合もあるでしょう。しかし、キーになるタイルでこれが行われたらゲームになりません。それで、付け加えられたものと推察しています。
国内の予選会巡りをしていると、とりあえず手番のタイルを配置してみて、全体の形を見て、別の場所に再配置するプレイを見かけます。いったん置いてみたほうが、その手の長所短所がよくわかるのでしょう。
それでも、日本選手権のレギュレーションとしては、世界大会同様に「いったん配置したタイルやコマは配置換えできない」としました。それは、日本選手権は世界選手権への予選会であり、そこで戦う人を選ぶためのものだと思っているからです。
世界大会に出られた方によると、実際のプレイは細かいことを気にしてないようです。手番で配置したコマがすぐ得点計算になる場合はほとんどコマを置かず、指さしだけで得点を入れています。得点コマの移動も黙って行う人もいるようです。性善説で互いを信頼しあってプレイするのは気持ちのいいものです。
ただ、Rulesに明記されている行為を行った場合、もし指摘されたらどうでしょう。おそらくほとんどのケースでは相手から指摘されることはないでしょうし、特に日本人はこちらから指摘することはないかもしれません。それでも指摘されて、再配置ができなくなったとしても、ベストの手ではないかもしれませんが、配置してみようと思ったぐらいなのでベターな手だったかもしれません。それより、指摘されたという心理的動揺が大きいように思います。緊張感が続く大会で大きなダメージです。
だから、指摘されて困るようなプレイスタイルを普段からしないように心がけていただきたいというのが私の思いです。
今年の日本選手権でも、そういった指摘がなされました。実際にはタイル間に隙間があり、きちんと配置したものではありませんでしたが、私は「指摘されて困るようなプレイはしないでほしい」という気持ちで、有効配置と判定しました。ただ、これもどのぐらいの隙間が有効かというと非常に難しいものがあります。ルールを作ることによって、新たなルールを作る必要ができてしまったのです。次回からは、少なくともタイルの辺の半分以内なら、有効配置としたいと思っていますが、それは世界水準だとも思っていません。
この件に関しては、配置を終えたのはどのタイミングかという話した当初から出ています。とりあえず、手から離れた時としていますが、それも世界水準ではないでしょう。例えば、配置したタイルを指先でたたいていたとします。当然一瞬手から離れますが、ルールを作った理由だと思われる「手番で配置したタイルが分からなくなる行為」からすると、問題ありません。
ゲームなので、本質的な部分のみで戦ってほしいと思います。そのためにも、普段からのプレイスタイルの気を付けていただきたいと思っています。
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